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【応用情報技術者】RoHS指令とは何か

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●RoHS指令とは
電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEUの法律。

出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期

RoHS指令の説明

RoHS指令(ローズ指令)とは、電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用を制限するEUの法律です。EUで発令されたRoHS指令ですが、世界中で製造される多くの電気・電子機器はEUでも販売されるため、結果的に世界中を巻き込んだ法律となりました。

RoHS指令では、鉛、水銀、カドミウム、クロム、PBB、PBDEの6種類の有害物質がとされており、電気・電子機器への使用を制限されています。

RoHS指令が誕生した背景

RoHS指令が誕生した背景には環境保護と人体への影響があります。

環境保護

かつて電子・電気機器には多くの有害物質が含まれていました。そのため、機器の製造過程や廃棄処理の過程で有害物質が環境に悪影響を及ぼすことがありました。特に、廃棄物からの有害物質の漏れや燃焼による大気汚染が問題になりました。

人体への影響

電子機器に含まれる有害物質は消費者や生産者に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、鉛やカドミウムは人体への暴露が中毒症状や健康問題を引き起こす原因になり得るので、人体への影響の懸念が高まりました。

RoHS指令が変えたはんだ付け

電子機器の部品同士を結合するのにはんだ付けという技術が使われています。

従来のはんだには鉛が含まれていましたが、RoHS指令が誕生したことにより、鉛の使用が制限されて新しいはんだ技術を開発する必要が出てきました。

新しいはんだ技術の開発により生まれたはんだは、環境に優しいだけではなく、電子機器の性能を向上させることが出来ました。また、はんだ付けの方法も変わり、低温でもはんだ付けが可能になりました。その結果、電子機器が高温で熱せられることが無くなったので、製品の耐久性も上がりました。

RoHS指令に対応するために生まれた新しいはんだ付け技術が、結果的に製品の性能を向上させる結果に繋がりました。

過去問

応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問80

欧州へ電子部品を輸出するには、RoHS指令への対応が必要である。このRoHS指令の目的として、適切なものはどれか。

ア 家電製品から有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進する。

イ 機器が発生する電磁妨害が、無線通信機器及びその他の機器が意図する動作を妨げるレベルを超えないようにする。

ウ 大量破壊兵器の開発及び拡散、通常兵器の過剰備蓄に関わるおそれがある場合など、国際社会の平和と安全を脅かす輸出行為を防止する。

エ 電気電子製品の生産から処分までの全ての段階で、有害物質が環境及び人の健康に及ぼす危険を最小化する。

正解と解説

正解は”エ”
電気電子機器に含まれる有害物質の使用を制限するのがRoHS指令なので、”エ”が正解です。